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お役立ち情報 2026.09.01

原油価格高騰で建築費が上昇中。相続税対策で賃貸マンションを建てる前に確認すべき6つのポイント

HANET

近年、原油価格や資材価格、人件費の上昇によって新築マンションの建築費が大幅に上昇しています。

特に相続税対策として賃貸マンション建築を検討している方にとっては、「本当に今建てるべきなのか?」を以前より慎重に判断する必要があります。建築費指数を見ると、RC造集合住宅の工事原価は過去と比較して大きく上昇しており、収益性への影響が無視できない状況です。

本記事では、建築費高騰時代における相続税対策としての賃貸マンション建築の注意点を解説します。

 

なぜ今、賃貸マンション経営による相続税対策が難しくなっているのか

賃貸マンション経営は昔から有効な相続税対策として利用されてきました。

その理由は、

  • 土地が「貸家建付地」として評価減を受ける
  • 建物が「貸家」として評価減を受ける
  • 借入金が債務控除の対象になる

という3つの効果があるためです。

しかし現在は状況が変わっています。

建築費だけが上昇し、家賃は同じようには上がっていません。その結果、以前と同じ賃貸マンションを建てても収益性が低下しやすくなっています。

つまり、「節税効果はあるが、投資としてはイマイチ」というケースが増えているのです。

 

注意点①  相続税対策だけで建築を決断しない

相続税対策を目的にした不動産投資で最も多い失敗がこれです。

建築会社や金融機関から「相続税が大幅に下がります」と言われて建築したものの、

  • 建築費が高すぎる
  • 利回りが低い
  • 空室が多い

結果として資産価値が目減りしてしまうケースがあります。

相続税を減らすことと、資産を増やすことは別問題です。

本来の目的は相続税を減らすことではなく、「相続後も残る資産価値を最大化すること」でなければなりません。

 

注意点②  建築費利回りを必ず確認する

建築費高騰局面では、表面利回りだけを見てはいけません。

確認すべき指標は以下の通りです。

〈確認すべき収益指標〉

  • 表面利回り
  • 実質利回り
  • 借入返済後キャッシュフロー
  • 修繕費考慮後の収益
  • 金利上昇後の収支

例えば、

  • 建築費4億円
  • 年間家賃1,600万円

の場合、表面利回りは4%しかありません。

そこから

  • 管理費
  • 固定資産税
  • 修繕積立
  • 空室損失

を引くと、実質利回りはさらに低下します。

相続税対策として成功する物件は、税金が安くなる物件ではなく、長期的に利益を生み続ける物件です。

 

注意点③  空室リスクを軽視しない

貸家建付地の評価減効果は、実際の賃貸状況によって影響を受けます。貸家建付地評価には賃貸割合の考え方があり、空室率が高い場合は評価減効果も小さくなります。

そのため、次のようなエリアでは特に注意が必要です。

▽注意すべき立地の特徴

  • 人口減少地域
  • 駅徒歩15分以上
  • 賃貸供給過剰地域
  • 学生需要に依存する地域
  • 単身者人口が減少している地域

相続対策で建てる場合でも、建築会社が提案する事業収支だけでなく、

  • 人口動態
  • 世帯数推移
  • 空室率
  • 家賃推移

を自分で調べたり、第三者の専門家に確認してもらうことをおすすめします。

 

注意点④  借入金の活用効果とリスクを理解する

賃貸マンションによる相続税対策では、借入金も重要な役割を果たします。

例えば、現金5億円を保有している場合と、借入金を活用して賃貸マンションに組み替えた場合では、相続税評価額に大きな差が生じる可能性があります。

しかし近年は金利上昇リスクも無視できません。

▽確認したいポイント

  • 固定金利か変動金利か
  • 金利上昇時の返済額
  • 返済比率
  • 相続後の返済負担

節税だけを見て過大な借入を行うと、相続後に家賃収入だけでは返済できない事態が起こる可能性があります。

 

注意点⑤  新築以外の選択肢も比較する

建築費高騰時代においては、「相続税対策=新築マンション建築」とは限りません。

場合によっては、

  • 中古一棟マンション
  • 中古アパート
  • 賃貸中の商業ビル
  • 事業用不動産
  • 不動産小口化商品

の方が資金効率が良いケースもあります。

特に中古収益不動産は、既に収益実績が確認できるため、将来収支を予測しやすいというメリットがあります。

相続対策を考える際は、「建てる前提」ではなく、「最も効果的な資産の組み替え方法は何か」という視点で比較することが重要です。

 

注意点⑥  相続発生時期によって戦略は変わる

相続税対策の効果は、相続発生までの期間によって大きく変わります。

〈相続発生が近い場合〉

  • 評価圧縮効果を重視
  • 早期の対策が有効

〈相続発生まで10年以上ある場合〉

  • 建築費上昇リスク
  • 大規模修繕費
  • 金利変動リスク
  • 空室リスク

まで考慮する必要があります。

つまり、相続が近い人と遠い人では、同じ賃貸マンション建築でも判断基準が全く異なるのです。

 

これからの相続税対策で重要な考え方

かつては、「建てれば節税になる」と言われる時代がありました。

しかし、建築費が高騰した現在は違います。

これからの相続税対策で大切なのは、節税目的の不動産ではなく、収益性の高い不動産を持つことです。

✅ 立地需要が強い

✅ 長期的な空室リスクが低い

✅ 税引後キャッシュフローが黒字

✅ 相続税評価の圧縮効果が十分に見込める

この4つを満たして初めて、「建てる価値のある相続税対策」と言えるでしょう。

 

まとめ

建築費高騰の時代において、相続税対策としての賃貸マンション建築は以前より難易度が高くなっています。建築による相続税評価の引下げ効果は依然として存在しますが、それだけを理由に建築を決断するのは危険です。

これからの相続対策では、「節税額」ではなく「資産の残り方」に目を向けるべきです。

相続税対策として賃貸マンション建築を検討する際は、まず収益性を確認し、そのうえで節税効果を評価する。この順番を守ることが、失敗しない相続対策の第一歩になるでしょう。

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